スタッフ紹介
「とも」のスタッフを紹介します!
言語聴覚士
同じ利用者はいない。疾患名や過去の経験にしばられず、その人との時間を大切にしています。
言語聴覚士
入職10年目
Q1.現在のお仕事の内容と、やりがいを教えてください。
障害児通所支援事業で、言葉の発達の遅れや構音障害、聴覚障害の訓練をしています。
はじめはまったく喋らずに、手を引いたり泣いたりして意思表示をしていた子が、さまざまなアプローチをするなかで少しずつ言葉を使って気持ちや要求を伝えられるようになると嬉しく、よかったと思いますね。
また、ここに通う子どもの保護者は、「うちの子が何を考えているのかわからない」と不安な方もいらっしゃるので、はじめは親御さんにも参加していただき、「こういう考えで行動しているんじゃないですか」と親御さんにお伝えしたり、子どもとの関わり方に関してアドバイスしたりすることもあります。
自分が子どもの変化を感じることができるだけでなく、「子どもが喋るようになった」と保護者の方に喜んでもらえたり、子どもとのコミュニケーションに関する悩みを少しでも軽減できたと思える瞬間があると、この仕事をしていて本当によかったと思えます。
また、週に1度は身体障がい者福祉センターで、脳血管障がいによる言語障がいや聴覚障がい、嚥下障がいなどを持つ成人向けの訓練も行っています。
ひとりひとりに対してどのようにアプローチをすればいいのかを考え実践していくというのは子どもも大人も同じ。アプローチの方法は無限にあるので、その人の性格や好みなども考えながら日々行うようにしています。
Q2.これまでの経歴と、「とも」への志望動機を教えてください。
子どもが好きで、福祉にも興味があったので、障がい児教育を学ぶ大学に進学しようと考えていました。そして、障がいのことを勉強するために、高校時代に「とも」の療育事業のひとつであるイルカスイミングクラブにボランティアとして参加しました。
そのスイミングクラブには自閉症の子が参加していたのですが、何かを伝えたそうなのに、何が言いたいのかわからなくて、どうのように関わっていけばいいのかわからず悩んでしまったんです。
そこで、コミュニケーションを勉強しようと思い調べていたところ言語聴覚士という職業を知り、進路を変更して言語聴覚士をめざす大学に進むことに。
卒業後は医療機関に勤務していたのですが、より、その人の生活に密着した形で携わりたいと思い、1年後に退職し「とも」で働くことになりました。
医療機関では、月に1度の訓練室の時間だけでリハビリが終わってしまっていたのですが、いまはご家族とも会話をしながら、本人や家族の暮らしがよりよい方向に向かうために、関わることができているという実感がありますね。
入職後、結婚、出産を経て、今現在も変わらず産休、育休制度を使って安心して働きつづけることができています。
Q3.仕事をしていて悩んだことはありますか? どのように乗り越えましたか?
正直なところ、毎回悩みます。どこを目指すべきだという「ゴール」が明確ではないというのがこの職業の難しさといえるかもしれません。
例えば、ことばは話すというだけではないので、文字や手話でコミュニケーションを取る方法のほうが合っているかもしれない。
病院の場合は、病気の名前や症状で治療方針を決めると思いますが、「とも」で働く私の場合は、障がいの種類や疾患名だけでなく、1人1人のパーソナルティーを見るようにしています。
過去に似たような方がいたとしても、1人1人違うので、過去の経験にしばられず、その人との時間を大切にすることを心がけています。